企画展であろうと、常設展であろうと、またアートの飾られている場所ならば プロアマ問わず、見に行きます。様々な形、色、メッセージ、多くの人に 見られることを待っている作品たち。当コーナーでは、そんなシーンを取り上げて 「アートディーラーの立場」からコメントいたします。 第二回目は埼玉県からお届けします。


Vol.2 第2回彩心展(彩心会グループ展)
平成12年秋開催 埼玉県与野市「ギャラリー書楽」


 
 
 
 
 
 
 
 

 この会は、幹事である女流画家の方が雑誌で呼びかけて発足した。会員の仕事やジャンルを問わず、様々な人達が参加している。まずは、その組織作りと運営の努力に拍手である。さて展示会だが、そうした会であるから出展アーティスト及びその作品がバラエティに富んでおり、グループ展としての面白さを味わうことができた。(出展者は相当に活躍中の方から芸大を目指している方まで)

  作品を見ていると、アーティストそれぞれの現在置かれている立場とか、目指すものの違いが伝わってくるから、不思議である。

  「自分の思いを素直に表現した作品」「一応世に問う作品」「世に出るための迫力を持つ作品」と、そんな具合に分けられるのだろうか。ちょっとした気持の違いが画面に表われてくるのだが。例えば「自分の勝負色」を持っているか否かとか、そうした感覚。このまま画廊に紹介したくなるような作品も中にはある。全体としては硬軟まちまちの感はあるが、それぞれに個性的な作品が集まって上昇のエネルギーを醸し出しており、この種のグループ展としては出色の出来と言ってもいいと感じた。

  作品について簡単にコメントすると、陶板には味があって印象深く、イラストには商品としての魅力を感じたし、油彩には迫力とチャレンジしていく気持のようなものを感じた。CGには可能性を感じたが、写真のレタッチで逃げて欲しくないのが正直な感想。

  今後会員構成も恐らく離合集散を繰り返していくことになろうが、ずっと持続させていって頂きたいものだ。この中から、優れたアーティストが生まれる可能性も大いにあるし、そうした方を発見していける私達の喜びもあるし。

  最後に別角度から一言。いいロケーションだっただけに、多くの人を招き入れるために入り口周辺及び導線の工夫が欲しかった。作家の紹介文も場合によってはあった方がいいのかもしれないと思ったが、次回の参考にして頂きたい。

>>Vol.1 デジタルとアートのコラボレーション「Di:CaFe」
>>>Vol.3 「展覧会 日頃の考え」 
 >>>Vol.4 東京ポケット(停止した工場でアートが・・・)




■出展アーティスト
  荒川仁恵・榎本朋恵・加藤公英・サラ・関口茂雄・永田智子・夢都美・渡辺富治・ Tako☆MASARU






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