アート(美術品とか絵とか、とにかくそれっぽいもの)を買うって簡単ですよ。だって今は色んな所で売ってますし、別に高くないし・・・ と言っても、本物の絵って高いしとか思ったり、何をどこで買ったらいいのか、分からない人が多いでしょう。それもそのはず、慣れていないんですから。服だったら、大抵の人は買った経験があるはず。アートはそんな経験の対象にはなりませんよね。そこで教えましょう、分かりやすく、アートを買いたいけれども買ってない皆様向けに。ちょっと背中を押されてみて下さい。


知識がないんですが。
どこで買えますか?
高くて買えません。
画廊って入りにくいんです。
何を買うんですか?
ピカソが欲しいんです。
飾り方のヒントを教えて下さい。
額について教えて下さい。
買ったあとの保存方法は?
徐々に慣れたいです。
買った時のメリットって何?
気に入ったものがあったが高いです。
比べて悩むんです。
カードや分割などで買ってもいいですか?
絵の値段はどうやって決まる?
それでも何故高いんですか?
版画とはなんですか?
色々な種類の版画が出回っている・・
絵って値上がりするの?
買った絵は売れますか?
美術年鑑で、号あたり3万円と・・・
インターネットで買っていいの?
ネットオークションで買いたいんです。
その他注意点ありますか。



知識がないんですが

 アートを購入するにあたって、「美術」に関する知識はさほど必要ではありません。欲しいものを買う、これが一番です。ここで言う知識とは、「美術史」の類は必要ないということですが、実際に購入するときには、それが誰の作品で、油絵なのか、版画なのか、それとも単なる大量生産のポスターなのか、といった技法的なものはその都度教えてもらったほうがいいと思います。


どこで買えますか

 アートを販売しているところは様々。画廊、デパート、インターネット、雑貨ショップ、書店、展示会など。あなたの意思で、もっとも買いやすいところで買いましょう。フリーマーケットとか、路上とかでも売っていますが、おすすめしないです。
 ここでも強調したい点があります。そのものがどういうものなのか、きちんと説明してもらえるかどうかです。どういう技法なのか、どういった作家なのか、きちんと説明を受けることが大事です。
 大きな傾向を言うと、画廊ではかなり高額な作品を売っています。数十万円からするものが中心です。デパートの中にあるインテリアアートコーナーでは、数千円のものから売っています。ポスターも中にはあります。ポスターは、額をつけないでそのまま(シートのみ)で売っている場合もあります。額なしで購入した場合、ご自分で額をつけようとすると別途額の代金がかかってしまいます。
 フリーマーケットでは、はっきり言ってろくなものがありません。ポストカードを額に入れて、適当な値段をつけて売っている場合もあります。
 路上で画家が直接売っている場合もあります。額がないし、あまりいいものがありません。間に画商が入って、いいものを選り分けてきちんと額に入れて販売しているものから選んだ方がいいと思います。よく例えば、パリの路上でお土産用に売っているようなアートもありますね。安いのが特徴です。いいと思ったら買っていいと思います。でも、もうちょっといい絵がショップに行けばあるものです。


高くて買えません

 まず、安いものを買いましょう。アートが「高額である」という先入観は、現実とは違いますので、ご注意を。何故、高いものや安いものがあるかと言うと、「高額なもの」はそれだけの価格で取引がなされてきた歴史(来歴)があるからです。オークションで取引されてきたとか、歴史的に有名な作家であると言った場合には、高額になります。但し、そうした作品が、「購入するのにいい作品」であるというものではありません。それは別の問題です。美術館が購入する作品と、あなたが購入する作品は、全く別のものであって当然です。
 購入できる範囲で気に入ったものを、(気軽に買える気分の範囲内で)集めていく、そのやり方から入っていけばいいと思います。また、たまに「消費者問題」で取り上げられる「分割支払い」での購入ですが、アートに限らず何でもそうですが、分割で買えるというのは消費者にとってはいいことであると思います。但し買う側の責任において、月々いくらの支払いでオーケーなのか、きちんと分かった上で契約することが大事です。カードの支払いでも分割払いができますね。リボ払いもできます。これは毎月送られてくる支払いの明細に残金が記載されていますので、よく確認しておきことが肝心です。


画廊って入りにくいんです

 そういうところもあるでしょう。「画廊の扉は重たい」とは、ずっと言われてきたことです。最近は、オープンに入りやすいところもでてきましたが、現実的には、店内にはあまり人がいなくて、何となく居心地が悪い気になってしまいがちです。扉は開いているのに、入っても誰も出てこない画廊がいまだに結構存在します。どうやって成り立っているんでしょうか。
 お店の人の「売る側」の心理として、この人は作品を買うのは無理だな、と第一印象で判断しがちです。お店の側があなたを「見るだけの人」と判断したならば、、お店の人は黙っていることでしょう。が、もしかすると見込み客になるかもしれないと思ったら、話しかけてくると思います。それは画廊それぞれの個性です。
 基本的には、「入りにくいな」と思ったら無理に入る必要はないです。ウインドウにすごく気に入った作品があったら別ですが。まずは、入りやすいお店に入ってみましょう。


何を買うんですか

 初心者であるあなたにとって、画家の名前、知名度は問題ではありません。気に入ったもの、それがベストの選択です。
当然のことながら、絵柄の問題になります。いくら有名な画家のものだからと言って、すべての作品が見事な作品であるとは限りません。つまらない作品もあります。
 明るい感じとか、なにかをテーマにしたものとか、色々な選択があります。生涯この一点、と思う必要もありません。はっきり言って、こんな感じでいいや、というあたりで妥協して数を揃えていく方がいいと思います。
 ヒントとして:部屋のイメージに合わせる。お店のディスプレイに合わせる。(但しこれが一番難しい)大きさで選ぶ。価格で選ぶ。同じ作家の作品を複数揃える。誰かにプレゼントする。(誰が見てもいいなと思うものを選ぶのがいいですが、それも結構難しい)など色々言えます。ともかく、初めの一点を買ってみることが大事ではないでしょうか。初めの一点を買って、飾ってみる、そうすると色々な発見があります。



ピカソが欲しいんです

 こうした特定の作家の絵を買うと決意されていらっしゃる方には、特別のアドバイスが必要ですね。まず、それが誰なのかという問題があります。そして、どういう作品が流通しているのか、調べるか、誰かに尋ねるかするプロセスが必要です。一応あなたが、初心者であると仮定すると、画集とかリーフレットのようなものを入手して、よく眺めてみることをおすすめします。
 例えばピカソだったら、こんな絵が欲しいなというものが画集にあったとしても、それが入手できる可能性があるとは思えませんので、そのポストカードとかポスターを探した方がいいでしょう。中にはオークションに出てくる場合もありますが、初心者であるあなたがそこまで注意深く市場動向を見ることは困難であると思います。
 但し、買うならばこの作家のもの、というように決めておくのは悪いことではありません。特に入手しやすい作家(流通している作品が多い)で、そのように考えておくのはいいことでしょう。


飾り方のヒントを教えて下さい

額について教えて下さい
買ったあとの保存方法は
 上の3点につきましては、別途1ページをもうけて詳しく説明しております。
  >>お役立ち講座「飾り方・額・保存法」をご覧下さい。


徐々に慣れたいです

 まずはポスターや、額入りポストカード、画集など(アートグ ッズとか言います)や安価なデジタルプリントアート(CGを打ち出したもの。弊社で扱っています)とかで、慣れていきましょう。もっと高額な版画とか油絵を買ってみたくなったら、その時が買い時と心得ておいて下さい。


買った時のメリットって何

 アートを買って飾ることについては、様々なメリットがあります。  
・本物のアートを飾る事で、お部屋の雰囲気がパッと輝いてきます。これは広かろうと、狭かろうと同じです。和室、洋室を問いません。生活に彩りが出てきます。
・無味乾燥した家の中が、大分変わります。家族が明るくなります。  
・お子様の情操教育にいい効果をもたらします。お子様の感性が豊かになります。
・ヒーリング効果があります。疲れて帰ってきた時などの癒しになります。
・感性やセンスが磨かれてきます。アートに合わせてインテリアやカーテンの色や配置を考えるようになってきますと、感性が生活に反映されてきたことになります。
・世界が広がります。あまり知識がなくて何となく購入したけれど、それがきっかけになって、美術館や展覧会に行ったりするようになってきます。趣味が広くなります。
・アートを購入することは、人生の中でも価値ある体験です。人からプレゼントされたり、知り合いから貰ったりした作品というものは、実はあまり大切にされていないようです。自分で購入するからこそ、大事にして、価値を見出そうと無意識に努力することにより、お客様を招きたくなったり、インテリアに興味を持ったりするようになるのです。


気に入ったものがあったが高いです

 高いものを購入するときには、誰もがそうするように、よく考えましょう。一つの方法としては、カードとかショッピングローンでの分割支払いの方法があります。(そのお店が取り扱っているならば)その時には、月々の支払い金額をしっかり押さえておきましょう。
 アドバイスとしては、候補作品をいくつか考えておいて、ご自分の購入可能限度額を決めておくのがいいと思います。無理をして買うべきではありません。アートは無理して(例えば借金をしてまで)買うものではありません。無理をするくらいなら、安い代替品にする方がましです。


比べて悩むんです

 何を比べるかが問題です。有名画家と無名画家で、絵柄としては後者の方が好き、という場合には後者を選ぶことをおすすめします。絵柄で悩むのは当然必要なプロセスです。できれば二つまで絞りきれば、どちらかは買うことができるでしょう。予算的に余裕があるならば、最終的に残った二つを両方買われたらいいと思います。私(ウエブマスター)の考えとしては、一点で終わってしまう必要は毛頭なく、いいものを安くたくさん買われることが一番いいと思います。
 価格を比べて悩むという場合も多いでしょう。アドバイスとしては、価格よりは、より気に入ったものをチョイスする方がいいと思います。


カードや分割などで買ってもいいですか


 上にも書きましたが、カードや分割(ショッピングローン)での支払いは消費者にとってお買い物の手段の選択肢が広がっていることであり、悪いことではありません。アートにせよ、車にせよ、色々な支払い方法が存在して当たり前の時代です。カード支払いだと、通常の場合は(1回払い)、金利がかかりません。分割やリボルビング支払いでも、手続きは簡単で便利です。下のショッピングローンよりも、金利は安いです。また、カード会社によっては、ポイントがたまる特典もあります。
 ショッピングローンの場合には、売買契約書に記入して審査を受ける手間があります。手数料の計算の仕方も異なります。但し、高額のものを月々の支払いを少なくして購入することができます。いきなり、長期の支払いをすすめる業者もありますが、回数と、ご自分の毎月の支払いに回せる額をよく考えて選択しましょう。あくまで自己責任です。それを忘れてすすめられるままに手続きして、あとで手数料が高いと文句を言ったところで、仕方がありません。蛇足ながら、長期の支払いになればなるほど、手数料は高くなります。


絵の値段はどうやって決まる

 普通の商品と同じです。仕入れ価格があって、額代など経費や利益分を上乗せして価格は決まります。一般的に絵が高いと思われている理由として、名画が「すごく高い」ことばかりがマスコミなどで報道されていることに原因があるようです。例えばバブル時期の頃には、ゴッホの名作を何十億円もの大金で購入した日本人のことが大いに話題になっていましたね。一般的にマスコミやアートの雑誌に掲載されやすいのは、歴史的(流通してきた来歴)に高額で売買を繰り返されてきた作品が多いもの事実のようです。
 やや極端ですが、値段のつけ方の一例。例えば、ヨーロッパのあるコレクター(収集家)が、ピカソの絵をオークションを通じて売りに出した。それを1億円で日本の画廊が競り落とした。そうしたら、その絵は、日本国内で1億円以上で売られることになります。1億1000万円の場合もあれば、2億円の場合もあります。
 そうでない比較的安いアートの場合には、すごく簡単な例で言えば、アーティストから作品を画廊が買う(画料とか言います)、それに利益分を乗せて販売します。画料が仕入れ値ということになります。(実際にはもっと複雑な事例もたくさんあります) これが安いか高いかは、その時のアーティストの評価などにもかかわってきます。ごく簡単に言えば、有名になればなるほど高くなる傾向にあります。(価値)評価が上がるというように一般には言われますが、このあたりが、普通の商品とは違うところでしょう。しかし、それが転売されたりすると、逆に安くなったりしてきます。絵には、換金性もあり、買い取る業者もあります。(もちろん作品によります)流通システムの実際は、株式など金融市場と比べると、仕組みはずっとシンプルでそう難しいものではありません。


それでも何故高いんですか

 人間の創造した芸術品であり、大量生産もきかないものだから、ということだと思います。 ある種の作品は、それ自体歴史的に重要なものであったりします。そうしたものが何故流通してしまうのか、という別の問題もあります。例えば、すごい名画を所有する人が(たまたま先祖が所有していたとか、偶然性による)、現金が急に必要になり、その絵を売却せざるを得なくなったとか、そうした理由で流通していきます。


版画とは何ですか

 版画はひとつの絵画の技法です。油絵だけが絵じゃありません。版画はオリジナル版画とも言い、ルールとして右下の余白の部分に作家本人のサインが、左下の余白には制作枚数を示すエディション番号という分数が鉛筆で書かれています。鉛筆を用いるのは、鉛筆は炭素ですので、将来長年にわたり消えることなく、筆跡鑑定に耐え得るからである、というのが一般的な説明です。但し、鉛筆以外でサインする場合、もしくは画面の中にサインする場合など、色々あります。
 技法としては、木版画、リトグラフ(石版画)、シルクスクリーン、ジクレー、銅版画などがあります。立派な本物のアートであることはどれも変わりません。ごく一般的に言えば、価格的には、一点ものの油絵などよりは安くなっています。
 版画しか制作しないという画家もいます。そうした場合には、「版画家」などと呼ばれます。有名な方も多くいらっしゃいますね。あなたが、初めて何か版画作品を購入しようとするならば、サインの有無は必ず確認して下さい。このサインがあればオーケーです。版画でもサインのないものであったならば、何故なのかよくお店の人に聞いて下さい。例外的に裏にサインするとか、古い作品でサインの決まりごとが定まる以前のものだったとか・・・説明できなかったら、買うのはやめましょう。
 それと、エディション番号の分母が200とか、500とか書かれていますが、これが制作枚数です。この数が500以上になると、ラージエディションと呼ばれます。それだけ同じものがたくさんあることになりますので、傾向としては価格は安くなります。もしも分母が500以上なのに、(比較的)高くなっている場合には、はっきり言って注意が必要です。何故なのかお店の人に聞いてみましょう。
 著名な作家になると、「カタログレゾネ」というものが出版されます。歴史的作家の場合には大抵出版されています。これは版画の百科事典のようなもので、制作枚数、サイズ、紙の種類など一点一点記載してあります。美術専門書店ではかなり揃っています。単なる「作品集」より値段は高いです。オークションに出てきた場合など、きちんとその「レゾネ」に記載されている作品なのか、という判断で真贋を区別することが可能になります。尚、生存している作家がレゾネを出した場合には、その後新たに版画を制作していきますので、2冊目、3冊目とレゾネは発刊されていきます。


色々な種類の版画が出回っているようですが

 版画の種類は上にも書いたように、木版画、銅版画、石版画(リトグラフ)、シルクスクリーン、ジクレーなどが一般的です。詳しい技法の説明は省きますが、最近ではシルクスクリーンと、ジクレーが増えています。それらは色数の多い作品に向いています。で、このほかに版画と同様のエディション番号をつけたシバクロームとかエクタクロームといった製版技術を用いた作品もあります。それらのものは、その作家の現在の位置付けなどから妥当なものと認められている作品である場合もあります。但し、技法的には版画ではありません。あくまで、限定枚数の定められた作品である、ということから価格が形成されてきます。
 同じように、ダイヤモンドエディションとか、ピエゾグラフとか、新しい名称の版画(らしいもの)が売られていますね。また、立体版画なるものも存在します。価格的に妥当かどうかは、その作家の位置付けで決まるのは同じですので、お店の人によく聞いてみて下さい。もしも、制作課程が説明できない店員さんであれば、あまり信用が置けません。事実、技法を間違えてプライスカードに記載しているお店もかなり存在しますので。


絵って値上がりするの

 何をもって「値上がり」というか。そこが問題です。店頭で売られている作品が値上がりすることは頻繁にあります。これは売る側の問題です。例えば版画の場合、複数作品が存在します。その作品が人気があって、よく売れる。在庫が少なくなってきた、値上げしよう、というようなことです。品薄になったならば高額になる、これはアートに限らず経済の必然でもあります。
 では、あなたが買った作品が値上がりするのか? 版画をあなたが買ったとする。その後同じものが、買った時よりも高く値がついていたとする、これは上に書いたとおりですが、以前に買った人は悪い気はしないと思います。
 今でもかなりの数の方の関心事として、「自分で買った絵は高く売れるか」という問題があります。この答えは「高く売れることもなくはない」のです。作品によります。しかしながら、はっきり言って、よほどの名作でない限り高くは売れません。アートの世界、特に流通の仕組みは株式市場と違います。買い手はそんなに多く存在しません。ですので、一般的には買った時よりも高く売れることはない、と思っていた方が無難であると思います。
 あなたが初めてアートを購入しようと思っていらっしゃるならば、そうしたことは考えない方がいいです。


買った絵は売れますか

 売れないことはありません。買った時よりも高く売れることはない、ということは上に書いた通りです。では、価格はどうあれ、キャッシュに変えることはできるのか? これも作品によります。買取を行う業者もあります。また、個人間で売買を行うシステムもインターネットオークションなども存在します。現実的には、業者は、その値段で買って、他に売ることを考えますので、できるだけ安く買おうとする。従って、買った時の値段よりも安くなりがちです。しかもかなり流通性の高い作家の作品に限定されます。オークションは、できるだけ安く買おうとするシステムですので、これを利用してお手持ちの作品を高く売ることは難しいと思われます。
 繰り返すようですが、作品によるのです。ある種の作品ならば、偶然にせよ何にせよ、買った価格よりも高値で売ることが可能な場合があります。しかしながら、それがどの作品で、どのくらいの時期(所有期間)なのか、明言することは誰にもできません。


美術年鑑に、号あたり3万円と記載の画家の絵を持っていますが・・・
   本人から貰いました。いくらで売れるでしょうか。


 上の続きになりますね。詳しく説明しましょう。美術年鑑、もしくはそれと同じような画家の名前を記載した分厚い雑誌は数社から出版されています。これは掲載する画家がお金を払えば誰でも載せられます。従って、いわゆるプロ、アマ問わずすごくたくさん載っています。「洋画」「日本画」といった分け方や、所属の団体(これも歴史的な団体から、地域のアマ的なものまで色々あります)ごとに分かれている場合が多いようです。
 そこの「評価欄」に一号あたりの金額が書いてあります。そもそもこの「号」とは、絵を描くキャンバスを大きさを表すものですが、よく知らない人が多いのが事実です。号数は0から500まであります。これは日本独自もので世界では全く通用しない大きさの表示です。伝統的に使用されてきたのです。しかも版画には用いません。フランスの画家の絵は号を用いず、全く同じサイズの日本人の絵であれば、〇号と称する、またその人が版画を作ったら、それには用いない、変なものです。ちなみに、画材屋さんに行けば、号の大きさを記した表が簡単に入手できます。
 その一号あたりいくら、というものも、はっきり言って全く当てになりません。その記載は画家が自分で適当につけられます。従って、その金額は「売値」「買値」とは違います。が、油絵などを販売している画廊などでは、年鑑の評価がいくらで、実際はいくら、とかそうした売り方をしている場合も多々あります。
 前提として、その画家の方が市場の中では無名の場合としましょう。(そういう場合が多いのです)その絵が、100号の絵(160センチ×130センチくらい)であったとしたら、号あたり3万円ですから、300万円!ですか・・・でも、300万円で誰かに「売却できる」訳がないのです。300万円の価値がある、とか値打ちがあるとか、そんなことも言えないのです。しかも誰か他にその画家の作品を欲しがっている人も見つけられないでしょう。すると、「現金化期待値」は0です。査定では0円とつけるのが妥当でしょう。仮にその画家の絵を欲しがっている人がいたとしても、売れる値段はせいぜい数十万円程度と期待しておくのがいいでしょう。号当たりいくらとか、そうしたものは実際の売買ではあまり当てにならないことを知って下さい。


インターネットで買っていいの

 これだけインターネットが普及しており、多くの業者や個人までもがオンラインで様々に商品を紹介しています。インターネットで購入されることは、普通になってきています。アートも例外ではないと思います。注意点としては、よく説明してあること。技法などや額など、サイズ、作家のことなど、配送のことなど、納得するまで説明してあることです。実物を見るのと画面で見るのではやはり違って見えることもあります。
 但し、店頭で実物を見たとしても、お部屋に「ためし掛け」のようなことは出来ません。どちらにしても本人の決断次第であることは同じです。あと、かなり高額なものは、インターネットで見たならば、一度実物を見た方がいいのではないかと思います。その額も買う側の価値判断によって異なります。1万円の作品に慎重になる、10万円の作品に慎重になる、どちらもあり得ます。また、どの段階で(即断するかじっくり考慮するか)購入するか、これもあなたの経済観念次第ということが言えます。


ネットオークションで買いたいんです

 オークションにもいろいろあります。特に誰でも簡単に参加できるインターネットオークションは、たくさん存在しています。出品も業者が出す場合、個人が出す場合、また、アーティスト自身が出したりする場合も稀にあったりします。買い手も様々です。いずれにせよ、使い方次第です。
 あなたが初めてアートを購入するのであれば、ネットオークションで一枚目を買うのはあまりおすすめではありません。説明が不足していたり、来歴(誰かが手放したものとか)が分からないものがあるからです。特にやや高額な版画などの場合、オークションに出品されているものは、「債権」が本人以外にあったりする場合もあります。なるべくならば、信頼の置けるところから購入した方が気楽だと思います。
 オークションで出品されている作品には、ある傾向があります。私(ウエブマスター)の意見としては、市場をぐるぐる回っている作品が多いと思います。そうしたものよりも、全く新たに販売されている「新作」をお求めになった方がいいのではないかと思います。但し、あくまでも買う側の自由意志であることは間違いありません。


その他注意点ありますか

 オンラインショップでも、実際の販売現場でも何でも、販売側が質問に答えてくれなかったり、説明が間違っていたり、嘘を言う、オーバートークをする、などの業者は問題ですね。
 業者の選択に関しては、ここがいい悪いというように判別することは避けたいと思いますが、変だなと思ったらそこでは購入しない、その場で勧められてもはっきり断るといった、明確な意思を持つことが大切だと思います。



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