ウエブマスター(M)と竹田憲司(T)の会話抄録
「それにしてもいい仕事場ですね」(神戸市東灘区のお洒落な建物にお住まいです) 「建築家の方に作ってもらった建物の半地下部分をスタジオにして使っています」 「六甲山の麓で環境もいいですね。震災の傷も大分癒えたようです」 「生まれは兵庫県の加古川という所ですが、親しんだ神戸がやはり好きですね」 「この竹田さんの独特の絵柄は何ですか?」 「Lump(ランプ)と言って、塊という意味ですが、 心の塊を重ねていくということを表しています」 「竹田さんの絵を見ていると、アートで表現できるものは「美」「ヒーリング」だけではないということがわかってきますね。つまり、アートを通じて何かを語る、メッセージを発する」 「Lumpという形で、あることを伝えたいと思っています。言葉で語るのは簡単ですが、それ絵に表すのが仕事だと思っています」 「どれか一例をとって説明して下さい」 「ネットワークからの難破という作品ですが、現代では、ネットワークとは便利で必要不可欠なもの です。しかし、ひとたびそれが壊れてしまうと、もうどうしようもない、訳の分からない混乱した生活になってしまう。そのもろさを兼ね備えていると思うんです。ネットワークがもたらす情報とは、本来人間(性)のためにあるはずが、今はどちらかと言うと、利益のためにあるような気がしています。そこに警鐘を鳴らしたい、と」 「その他の作品には、ご自分の経験なども反映されていますか?」 「かなり強烈な体験はありました。こんなことが現実にあるのかって、そう思ったこともあります。 そうした体験が幾つかの作品に強く影響されてい ます」 「強いテーマ性があるのですね」 「そのぶん見る側に努力を促してしまう絵柄であるかもしれません。その努力をしない人はすぐに逃げてしまう(笑)」 「よく見ていると分ってきます。表現者として、あまり見る側におもねる必要もないでしょう」 「自分の長期的な目標としては、おばあちゃんに見てもらって、少しは分かってもらえる、そんな作品を制作していきたいと思っています」 「視覚だけではなく、頭をつかってじっくり見るべきアートがあってもいいと思います」
兵庫県加古川市出身。日本画制作に携わる父の影響で、幼い頃から絵に親しむ。 しかし、物心ついた頃はエンジニア志望。工業を専門に学び、音響メーカーに就職。そこで配属された部署は、マニュアルなど印刷物を制作する部門。本来望んでいた職種ではなかったため、出入りのデザイン事務所に早々に転職。仕事のかたわら、夜間の専門学校通いと神戸の画家である”故)石村正太郎先生”に師事。 実力も伴わない状態であったが、あるきっかけでフリーのデザイナーとして独立。 最初はエアーブラシによるイラスト製作をはじめ苦労を重ねるが、早くからコンピュータを導入し、CGもいち早く習得。今のスタイルにたどりつくまで多くは語らないが、様々な出来事があったらしい。「Lump」というスタイルを確立し、CGアーティストとして少しずつ支持者とファンを増やしながら21世紀の表舞台に登場してきた。 現在、神戸市東灘区在住。デザイン、アートなど幅広く活躍中。